砂糖の紅茶割り

紅茶中毒的デュエマ活動録

メイドインアビス-深き魂の黎明-おもしろかった

 というわけでタイトルの通りアビス映画見て来ました。感想を吐き出したいのですがツイッターにネタバレはしたくないので数ヶ月ぶりにブログを起動してます。この感触ももはや懐かしい(まだ3記事目ですが)。

 感想記事というよりはマジで思ったことを書き殴ってるだけです。自分の中の高ぶった思いの処理ですね。それでは以下ネタバレ注意。また、原作既読勢なので原作を読んだ人視点の映画の感想になります。初見の感動とかは無いです。なので原作も読んだよ!って人がうんうん分かる分かるみたいになる内容かと。まだ見てない人は映画館に行きましょう。読んでない人は本屋やレンタルショップに行きましょう。




・いきなり始まるマルルクちゃんの日常
 映画の最初って東宝(波バッシャ--ン!!!)とかの配給元紹介あるじゃないですか。それより先に特典アニメが始まったので予告か?と戸惑いました。そして度し難い内容。ひたすらにマルルクの可愛い様子が見れるだけで本編には一切関わらないのですがここでいきなり男の娘(推定)を縄で縛ってつるして酒のあてにするお師様が見れます。出だしからぶっ飛んでんな…。逆に言うとここでいきなり度し難い場面が出てきたことで「ああ、これなら本編も手は抜かずに性癖博覧会してくるな」と覚悟が出来ました。安心ですね。
 余談ですがこの日は平日の昼間なのに結構人が入ってました。そして予想よりも遥かに多いカップル。見てて気まずくなかったのだろうか。これからもっと気まずいシーン多いぞ、ざまぁみろ。

・冒頭シーン(花園→5層)
 クオンガタリがCG(多分そんな質感)だったのでそこまでおぞましくなかったのが救いです。逆に言うとCG特有の硬い質感でもそもそ動きながら生き餌の口に入っていきます。かなりキモイ。個人的には成虫よりも目の虚の中からこんにちはする幼体が怖かったです。そりゃレグくんも目を逸らす。
 後のボンドルド戦1ラウンド目で使用した幼体を採取するシーンとか追加されてるかなと思いましたがそんなことは無かったです。というかその後も追加シーンはほぼ無かったです。ある意味原作にとても忠実、というかあの内容をやるには時間が足りないので仕方ないのかも。
 その後のハマシラマを食するシーンは色にビビりました。ヌメヌメが緑っぽいとか素直に食いたくない…。ただ幸せそうに食する3人はやはり可愛かったですね(可愛いという単語が出るたびにボ卿がちらついてつらいです)。その後の会話シーンはほぼノーカット。おかげでナナチの心境が分かりやすくてとても良かったです。彼女も冒険が楽しみな子供の1人だということはやはり大事な要素、ここがあるからこそ最後のボンドルドに語り掛けようとしたシーンにも重みがかかります。

・黎明卿、登場
 まずプルシュカがかわいいです。そして無視しようと頑張るレグくんもかわいい。肝心のボンドルドは登場が壮大すぎて笑いかけました。いきなりのスローモーション、かっこいい(?)斜めアングル、「パパってお前マジ?」みたいな顔のナナチなど見所が多いです。落ち着いたボイスで安定感のある喋りのボンドルド、この時点では怖いとかヤバイみたいな雰囲気はほとんど本人からは出てません(演出やリコさん隊の表情からはバリバリ出てますが)。そこが個人的に良かったですね。歓迎するという言葉に偽りは無いんですよ彼。

・度し難すぎる男児虐待判明シーンから逃走シーン
 まず順番がいろいろ入れ替わっててナナチパートとリコパートがターン制で来ます。原作ではいきなり謎の部屋で語り合ってたナナチとボンドルドですが映画では見栄えのいいところ(イドフロント真ん中の光の柱が見えるテラスみたいなところ)から会話に入ってます。この方が見栄えが良かったのかもしれないですね。ナナチパートはあとはほぼ原作通りといった感じでした。
 そしてリコパート。呪いがけっこうふんわりと怖いです。ふんわりとしてるのにガシガシ傷ついていきます。そういえばプルシュカはリコの悲鳴を聞いて駆けつけたと言いますがリコは一切叫んでないんですよね。リコ主観だと叫んでも歯を食いしばってもいないのに叫んだり歯を噛み砕いたり…分かると怖い表現です。5層恐るべし。残念だったのはメイニャが初登場するシーンがメイニャのアップになっててプルシュカのふぁぷっという表情が見れなかったところ。原作のあの表情めっちゃ好きなんですよ、どうして画面外なんだ。あと思ってたよりもメヤァアアって鳴きませんでした。またパパ棒のシーンはしっかりあります。というかこの手のシーンはすべてカットせず盛り込んであります。度し難い。
 で、問題のレグパート。原作通りです。度し難い。アニメ見てた時にも思ったことなんですけどこのアニメの声優さんって総じて悲鳴だの泣いてるシーンだのの演技が上手いんですよね。(タマウガたれてるシーンの怪演はガチでビビりました。)今回もそれがフル活用、痛そう度が半端じゃない。そして映像化によって補完される切れた腕から液体がだばーって出てくる表現がこれまたエグイ。あと気になったのは祈手のすっとろさが予想以上だったところ。ナナチからもすっとろいとは言われてましたが映像化によって予想の何倍もすっとろく見えます。不気味さと引き換えに強そうに見えないのでもう少し機敏でも良かったかもなーと。
 岸についてからリコが泣き出すシーンもこれまた声優の演技力が発揮されてました。というかこの後も泣いてるシーンばっかりなのですがほんとに演技がいいんですよ。つられて泣きます。

・VSボンドルド-Round1
 カッショウガシラを枢機へ還す光で焼き払うシーンが巣の外から飛んでくるカッショウガシラの遺体を見つめるシーンに変わってました。少し残念…でも煙の中から出てくるボンドルドはかっこよかったのでヨシ!
 で、戦闘シーンなのですが思ってるよりもよく動きます。レグ君負傷してるのに全然速い。アニメでは対人戦が少なかったので作画大丈夫かなと心配してましたが杞憂でした。なによりも映画は漫画よりも映えるシーンに尺を割く都合でどうやって戦ってるのかが非常に分かりやすいです。ここだけならバトルアニメです!で通りますね。その後のシーンが問題ですが。死んだパパを見て泣き崩れるプルシュカと気持ちの整理ができないレグのシーンは胸が苦しくなります。レグ君強く生きて欲しい。
 それでもってボンドルドの復活。いや祈手の服がはじけ飛んで尻尾出てきたんだが。完全にマッチョマンが服を飛ばすテンションでちょっと笑いました。プルシュカには信頼できる祈手ですと言っておきながらその正体は厚着で隠した戦闘用祈手、後のプルシュカを完成させるといった喋り口からみても一度敗死することまで計算していたかのようで本当に不気味です。
 あと少し思ったこととして呪い針を打ち込まれたリコが幻覚によって回想をするシーン、アニオリで入れた3層で幻覚を見るシーンがあったことによって視聴者が今どうなってるのか分かりやすいなーと。プルシュカ言っちゃダメ!って言うこのシーン大好きだったので満足でした。やっぱこのシーンでプルシュカ救わねえと…って視聴者に一気に思わせる力があります。逆にリコが遺物目録を思い出してるシーンであれじゃないこれでもない…みたいに未登場の遺物を演出しなかったのは少しもったいないなと。あと思いついてカサカサしてるリコが再現されてたのは笑いそうでした。

・イドフロント潜入→VSボンドルド-Round2
 まず祈手になれなかったできそこないの奴ら関係が総カット。プルシュカの優しさが見れて好きなんですけどね…尺がないのでしかたなし。
 その後はナナチによるカートリッジの説明が入るのですがキラキラした子供たちを映すのは反則だと思いました。ナナチ10代前半でこの業を背負ってるのヤバすぎんか?そして素晴らしいという決め台詞とともにヌッと出てくるボンドルド。ここまじでヌッと出てくるのでおもしろいです。そこからのナナチの再スカウトとリコさん石にするんやろ?発言といいナナチ好きすぎんかコイツって感じがもりもり。ただやっぱ会話してるシーンなので映像化特有の間延び感が少しだけ。ロマンが分かるリコさんももっと強調して良かったような気が。
 余談ですが、リコがここ以降ズバッと相手の思惑を言い当てたりするシーンが増えるんですよね(原作において)。リコさんは主人公の1人ではあるが決して精神性は視聴者の側ではない、ボンドルドの言う通り憧れが止まらなくてヤバくなっている側なんです(倫理とかはちゃんとしてるから大丈夫)。それをハッキリと説明するこのシーンは僕のお気に入りのシーンです。
 そしてぬるぬるレグとボンドルドの戦闘シーン。端的に言って作画が凄いです。あと遺物名を必殺技のように宣言するボンドルドに少し笑います。どうしてもシュールギャグみたいになってしまう…かっこいいんだけども…。対してレグ君サイドは笑う要素無しのガチ異形モードで怖い。ぬるぬるって結局何なんだって思ってたんですけど要するにオーラみたいなものだったようです。いやオーラ出しながら超速で腕を回し続けるの怖いよ…なんか声も編集かかってるし…。まさかカッコイイより不気味が優るように演出されているとは思ってなかったので嬉しい誤算でした(僕の原作の読みが浅かっただけともいう)。また、ぬるぬるから正気に戻るシーンの目の色が変わる演出もとても良かったです。綺麗な目をしてました。ただふわふわでパパ棒おったてるシーンノーカットなのは流石R15。

・VSボンドルド-Round3
 この映画で最も作画のいい戦闘シーン。ボンドルドも技宣言なしで連発しますし火葬砲もじゃんじゃん撃ちます。細かいところなのですがレグの火葬砲とボンドルドの枢機へ還す光、色が違う(太さが違うからなのかな?)んですよね。"砲"といった感じの青白い光と"光"といった感じの赤黄色いレーザー、ぶつけあったりしてるととても映えます。見てて楽しかったですね。あと原作でどうなってるのか分からなかった二人の崖上りの方法が分かりやすかったです。レグ君ドリル式だったのか頭いいな…。あとはボンドルドの祝福が意味不明で怖いです。原作でも眼球からなんか生えてたけどまさか生えてそのままうねうね動くとは…。
 そこから上昇しきってカートリッジ排出。予想以上にボンドルドがふわふわでした。そして漫画読んで知ってるから驚きはしなかったんですけどだからこそ記憶消して見たかった…。回想で全力で泣かせに来るのやめて…。ここから自分ノンストップで泣き続けてました。平日昼間に一人で泣き続けるオタクきもいな…。やっぱ「仲直りして一緒に冒険に行きたいな!」は反則ですよね。ここで是非原作5巻の表紙を見てみましょう。泣きます。
f:id:T_holic888:20200123204621p:plainボ卿映ってるのエモい
 ぶっちゃけ、この上昇しきってからの戦闘はプルシュカああああうわあああああって感情でボロッボロになってたので記憶が薄いです。これの前の戦闘で昂ってた気持ちが急ブレーキ、泣きながら戦う状態でさながら鬱勃起状態…いや大好きなんですけどねこういうの。でも感情が処理しきれなかった…。

・激戦の果てに
 ナナチとボンドルドの会話とかも良かったのですが個人的にはリコの演技が光って見えました。プルシュカこぼれちゃう!とかファンの間では微妙にネタにされがちなシーンですが全くネタになりませんでした。絶望度が凄まじい…本当にリコ役の富田さんが凄い上手いんです。なんかこの感想記事、ひたすら声優さんを褒めてる気がしますけどやっぱ演技ってのは大事なんですよね、感情移入できるかできないかがかかってるんです。
 そして最後のシーン。ボンドルドの目が澄んでいて奇麗でした(虚ろだったけど)。そして特筆すべきは最後のナレーションがライザじゃなくてボンドルドだったところ!これが声を聴いてなるほど!ってとてもしっくりきました。文で読んでた時はさらっと流してしまっていて気づいてなかったんですけどこの文体というか喋り方は間違いなくボンドルドの方なんですよね。ナレーター的な第3の壁への語り掛けではなくリコ達への応援になってるって気づけました。いやはや全然原作読みこめてないですね。
 最後にエンディング。とても良かったです(語彙力不足)。聞いたことある曲調に声だなーと思ったら歌MYTH&ROIDで編曲Kevin Penkin。なるほど。

・総括
 とても良かったです!結局これが言いたかっただけなんだ。アビスはアニメ見てから原作借りて読んで「アニメ化されてないところもすごいやんけ!」となっていたのでそこがアニメーションで見れたのは幸運でした。この映画は広い括りでは冒険活劇なんでしょうけどその面白さはサスペンス的な謎や設定の物量とキャラ背景による感情攻撃なんですよね。それをしっかりとやってくれてたのが高評価です。やっぱ世界観もので重要なのは世界観だけじゃなくその中で生きる人間の感情の機微なんです。
 ただやはり重い…とても好きな重さだけど!放映終了して劇場から出ていくお客さん皆静かだったの面白かったです。ハイテンションな人がおらず「ボンドルドが…」「すごかったね…」みたいなローテンションの会話しか聞こえてこなかったです。リピートしたいようなリピートしたくないような…見た後に残るのが大団円じゃなく悲しみを乗り越えた先の日々に近いんです。アビスらしいとも言えますが。


 …というわけで感想という名の感情の書き起こしでした。ガチで感想を文に起こすのなんて中学生の読書感想文以来…。間違ってるところとかあったらバシバシ言ってください、追記で記憶違いでしたごめんなさいとしっかり訂正します。