CS調整日記
タイトル通り。デッキ調整記みたいな。
- メタビート作りたくね?
きっかけは何気ない感情だった。
ラッカメタビ作って遊びたい気分になっている
— 午後茶花伝 (@T_holic_DM) 2020年10月1日
可憐ヴァイカーをフィニッシュに添えてさ
確か、ハムカツドラグナー流行ってんな→ハムカツドラグナーは殴るからタップインとか全能とかのメタカードが刺さるよな→じゃあ可憐って今の環境で強いんじゃねえか!?って思考回路だった気がする。その頃はカメカメン型のメタビートが流行っており、そこから更に数日経つと「ドラグナーだったもの」とか呼ばれている赤白緑のメタビートなるものが強いという情報も流れだした。結局記事は買ってないのでその内容は分からないままだったが。これは来てる、確実にメタビートの波が来てると思って意気揚々とデッキを組んだ。
結論から言うと可憐は絶妙に弱かった。3ターン目に出すには色が難しすぎた。加えて、ラッカドラグナーは殴らないので可憐が痛くもかゆくもないことが分かった。当時のリストがこれ。写真を撮ってなかったのでうろ覚えだがvaultで再現した。
端的に言って酷い。色を3色ひねるのが難しいなら踏み倒せばええやん!って発想によって出発時点でラッカでは無くなったがそんなことは些細なことであり、それよりも酷かったのがボアロでマナからヴァイカー引っ張ってこれるから実質ネイチャー8積みじゃん!とか思って構築されていたことだ(ボアロは緑しか釣れない)。
他にも可憐の多色が事故要素で弱い、センノーの無色が弱い、GRが可憐ありきすぎて可憐が無いと連パンできない、2tに投げるメタクリが少なくて引けないといった明確で致命的な弱さがあった。完全にジャンクデッキ。この段階で1回友人にぶつけていたんだが、面白いけど別に勝てるな(笑)みたいな微妙な反応しかもらわなかった。
- 田園にヴァイカーの入賞報告あるやん?
そんなこんなでボロッボロのプロトタイプだったが、得るものもあった。
1つはドラグナーがメタを2枚張ると機能停止すること。これはミクセル+可憐だったりミクセル+リツイーギョだったりみたいな条件や効力が違うメタクリを同時に出してあげるとどっちにも手が出なくなるということだ。つまり、センノーのような強力な代わりにコストが3といったメタクリは入れる必要が薄い。2コスのメタクリを2tも3tもと投げてあげるだけでいい。これでデッキ内から邪魔な無色が抜けた。
そして同時期にツイッターのffが気になることをつぶやいてたことにも気づいた。曰く、「ドラグナーのメタカード突破カードってプロギガだからデスマッチのバトルは突破できないよね。」ほー…なるほど賢い…。というわけで空いたセンノーの枠にデスマッチを突っ込んだ。
あとはリツイーギョとハキリのパワー上昇が非常に有効でめったなことでは殴り返されないということで少しパワー信者になったりもした。だからパワーの大きいダセンゼを採用した。
そして大きかったのが、田園にリースヴァイカーとして紹介されてたレシピを見たことだ。あっ、やっぱヴァイカーって正解択なんだ?となって一人で興奮してたのを覚えている。
そしてバックラスターの存在を思い出した。当時はこのデッキは盤面除去できないから相手が先に並んだら負けだな…とか思っていたのだったが普通に手打ち圏内の除去カードがあった。なんで忘れてたんだ。
一応、この段階でそのリストを完全再現して一人回しを数回やった気がする。2tでブーストして3tでキュラックス投げたりフォースでいきなりキュラックス投げたり……なんというかキュラックスにすごく頼ってる印象を受けた。そして、その時自分が対面させていたのがちょっと古いデッドマン型のドラグナーだった。勘の良い人は分かると思う。そう、あまりキュラックスは刺さらない。アイラにグリージーホーンくっつけて侵略デッドマンするだけで除去できる。ついでに横にファイナルジエンドも立つ。そしてこいつが立つとヴァイカーからの捲りの要求値が上がる。……みたいな感じでキュラックスの強みが感じられなかった。
……馬鹿だよね、絶対にラッカとかハムカツで試しておけば強みが分かったはずなのに。
まあ…そんなこんなあって再構築したのがこちら。
自分はヘブフォ引けないのが嫌だったのでキュラックスやヘブフォなどのカードは採用しなかった。また、ここで急にストレージから見つけた謎カードがやってくる。
それがこいつBIRIBIRIII・ビリー。攻撃に制限がある代わりにマジボンバーでなんと5コストが踏み倒せる。つまりヴァイカーが飛ぶ。しかも3コストなのでファイアからSA付与でぶっぱすることもできる。ついでのようにブロッカーを持っている。……強いのでは?
ぶっちゃけ、最初はお試し感覚で入れていたのだが筆者はこいつのせいでその後散々振り回されることとなる。(今後の白い裏向きカードはずっとこいつです。家には2枚しかなかった。)
- 1ターン早く動きたくね?
上のプロトタイプ2号機はけっこうやれるレシピではあった。ただし、そこそこの問題点もあった。
1つはあまりにも踏み倒しに依存し過ぎていることだ。ファイアもハキリもビリーもネイチャーも…全部踏み倒しだ。つまりどういうことかって言うといとも容易くZERO・ハンドの餌にされる。
構築が変わり、安定したメタクリを手に入れて対ドラグナー性能はさらに上がった。その一方で対面性能が上がらないし、下手したら下がってたのがヤドネ対面だ。雑に踏み倒ししようものならZERO・ハンドで除去られてプランが狂う。しかもどんなに早く動いても最速のオーリリア着地が4tなため相手の先攻ブン回りに勝てない。
ちなみにだがさらに無理だったのが青魔導具対面だ。オーリリアを出さないとCho絶が怖いが、オーリリアを出してるとキルターンが怪しくて2t新世壊には間に合ってくれない。それが嫌すぎてオリオンとかオリジャとか入れてワンチャンを作ってた。友人にはデイヤーでケアされた。
つまり呪文主体のデッキに勝つのが厳しい……なるほど、じゃあプーンギを入れればいいんだな! ……ってなぜか一発では気づけなかった。
なるほど、2tにブーストして3tでオーリリア投げればいいんだな!
プロトタイプ第3弾。ちなみにこの構築、致命的な欠陥がある。2tエスメル3tオーリリアすると自分の盾が1枚減ってるのでエスメルで1点パンチしてもラビリンスが発動しない。破産。良い子はおとなしくステップルを採用しよう。
あとは、ビリーと相性がいいと思っていたファイアが、ファイアで3tにビリーをSA付与で出してもビリーのデメリットで攻撃できないと気づき枚数が減った。一応4tに打てばいいという話なんだが、それなら3tにビリー出して4tはもっと強い4コストのカードをプレイしようよとなった。
ファイアは微妙だった一方でビリーは強かった。リースはお世辞にも色事故と無縁とは言えない。特に赤は枚数が少ないためバックラスターを出したくても出せないといった場面がちょこちょこ起きる。そういった時に役に立ったのが印象に残った。あとは当たり前だがヴァイカーが飛ぶのは強かった。強いんじゃね?の予想が現実となったので自分はこいつに囚われてしまった。
一瞬入ってたダセンゼはオーバーキルになるか全く刺さらないかの二択しか生まなかったので即解雇となった。南無三。
- なんとなくまとまってきたな
その後も一人回しやvaultでの調整を終え、最終的にできたのがこれだ。
いやまあ…できたとか言いながらデッキ枚数39枚で1枚迷ってはいたのだが。でも大体の形はプロトタイプ3号で完成されていたのであとはエスメルをプーンギに差し替えるだけでほぼほぼ終わりだった。
あとは旅路ジョラゴンに刺さることが分かってSA付与以外にも役割を持てることになったのでその子供、凶暴につきが1枚増量された。また、4コスなのが偉くて2tクリーチャー3tビリーからの4t子供でビリーの攻撃時にヴァイカーという黄金ムーブをできるだけ狙いたかったというのもあった。
これで、各種ドラグナーには2コスメタクリの合わせ技による完封、ヤドネ魔導具にはプーンギオーリリアによる完封、オカルトアンダケインにはミクセルとリツイーギョで遅延してポクたまで勝ち、旅路はメタクリとバックラスターによる丁寧な除去で勝ち、バーンメアにはリツイーギョ出しとけ、みたいな感じで大体の体面に戦えるデッキにできた。
……ちなみにバイクとギャラクシールドはきつい。前者は先攻ゲーでほぼほぼジャンケンで2コスメタクリの先配置ができた方の勝ち、後者はパラノーマルが間に合うまでに走り切れるかの運ゲーで非常に厳しい。また、前の二つほどではないがマーシャルも辛かった。相手に「ループ狙わなくても横に並べて殴れば勝ちじゃね?」って気づかれるかどうかにすべてがかかっている。
さあ、リストが固まったところで大事な作業がある。そう、お買い物だ。BIRIBIRIII・ビリーが2枚足りていない。そしてこの時すでにCS1日前だ。通販は間に合わない。そして近所のカドショは品ぞろえが悪い。ほんとにどうにかしろ。
というわけで、CS前日は調整もプレイング研究もせずに一日中自転車でカドショを回っていた。しかも雨が降っていた。マジで最悪だった。しかも道に迷った。知らない土地をずっとぐるぐるしてた。これで体力を使い果たしてしまってその日はろくにカードを触れなかった。
そしてビリーは買えなかった。
- CS当日調達すればヨシ!
大ピンチである。デッキ内の隠し玉ともいえるほど心酔していた最強カードが足りない。とりあえず前にちょっとだけ試して先攻とった時の3tの手撃ちがほんのちょっとだけ強かったオリジャを代わりに入れておいてCS会場に向かった。会場が地元にあるどのカードショップよりも大きいのでそこならあるだろと最後の望みをかけたのだ。結果としては置いてなかった。……本当になんで?
というわけでとりあえず入れてたオリジャをそのままデッキシートに記入し、CSに挑んだ。迷ってた1枠も盾から引けたらラッキーだからでオリジャにしといた。完璧な妥協構築である。これで負けたら本当に悔しい。手札に来るオリジャを見るたびに(お前がビリーならなあ…)って思うんだろうなあってげんなりしてた。
結果、なんかプーンギを取れてしまった。
正直びっくりした。予選で想定していた対面を想定していたように捌いたり、想定していない対面に度肝を抜かれながらびくびく殴ったり。かなりギリギリな試合も多く非常に疲れたが、デッキ(というよりはメタクリ)の強さをしっかりと押し付けていけた。
ちなみにオリジャはフリーで1回だけ有効に働いたのを除いて1度たりとも活躍していない。マジで死に札だった。
試合中はかなり上振れていたのは覚えている。なんだかんだでビリーが手札によく来てくれたのだ。お前ってやつは……!
おかげさまでビリーからヴァイカーも投げたし、ビリーをマシンガントークで起こして2回マジボンバーするといった荒業も結構やってのけた。それで無理やり突破した対面や、それじゃなきゃ突破できなかった場面も少なくなかった。ビリー信者になります。
- 反省点
とはいっても反省点はそこそこある。まず当たり前だが優勝してないので負けた対面がある。トリガービート(⁉)と赤白バイクだ。前者は構築段階で無理だなとなる相手なので割り切っていいと感じたが後者は違う。特に最終戦、こちらが予選順位で上だったのもあって先手でスタートできたので、例えフルセットになったとしても先手の回数がこちらが多い分有利だった。しかし、色々とプレミをしてしまったことや自分の引きを信じられずに弱気なプレイングをしたことなどが繋がって結果的には1-2で負けてしまった。プレイングでカバーできなくもない負け方ではあった(と思いたい)が、確実に手札でダボついたオリジャやそこまで活躍しないポッポーポップコーなど構築の問題も少し見えた。
このデッキはプレイング難易度がそこそこ高い。さすがにギャラクシールドなどのコントロールほどではないだろうとは思うが、それでもシビアな状況選択を迫られる場面が多い。実際、あまりにもメタカードの設置に意識を向けすぎて3tにビリーを引けていたにもかかわらずプレイしなかった結果、攻めっ気の強いカードとしてデッキに入れたはずのビリーを攻めのタイミングで使えないといったミスがそこそこあった。本来なら、1体目のメタクリを配置した時点で返しのターンの相手の行動はメタクリに引っかからない=危険度の低い行動、もしくはメタクリを除去するための行動となるのでとても安全に攻めのチョイスを通せたはずだった。
- 完走した感想
非常に悔しい結果とはなったが、そもそもCS入賞自体がまだたったの4回目なので十分にうれしかった。どうでもいいけど2位と4位は負けて大会が終わるから死ぬほど悔しいよね。3位は取れたことないので分からない。
あとは環境で使われてないカードを使って入賞できたのは地雷構築愛好家として非常に楽しかった。言ってしまえばただのマイオナなのだがもちろんマイオナなのでやってる本人は楽しい。巻き込んでしまって申し訳ない、非常に楽しかった。
デッキの調整に付き合ってくれた暇人の方々、当日のCS運営の方々、対戦してくれたDMPの方々、CSに行くのに付き合ってくれたリア友くん、みんなに感謝を。
- 余談
そして12日、けみくろ放送局からこんな動画が出た。
……あれ、このデッキ見たことあるぞ。
どうやら自分が田園で見かけたデッキリストは例の赤白緑メタビートのリストそのものだった(と思われる)……有料記事のリストが漏れてるってそれ大丈夫なんすかね?
つまりは自分は確実に強いといわれている、いわゆる正解のリストを魔改造しただけのデッキを使っていたらしい。そりゃ強かった。自作デッキとは何だったのか……。
そのうえ、自分はキュラックスを採用しなかったがためにギャラクシールドは無理対面とか言ってしまっている。誰だよ高コスト高性能のメタクリは不要とか言ってた奴……。なんと見る目がない。
入賞できて嬉しかったし、解説記事でも書くか~~?とか舞い上がっていたのだがどうやら有料記事を買えば自分が作るよりもさらに上質な記事が読めることになるらしいので自分はおとなしく手を引いておくことにした。諸行無常。